戦争の遺構残る「友ヶ島」は関西のラピュタか?

和歌の浦から北西へ車で約30分の加太(かだ)港。
加太港から「友ヶ島」へ!
友ヶ島汽船で渡る。

定期船は所要時間約20分。往復2000円(港の駐車場は500円/日)
連休や夏休みを除き、火水は運休。
春〜秋は1日4便(休日は6便)、冬期は1日2便。
決して便利な場所じゃない。

しかし、友ヶ島が「天空の城ラピュタ」の世界に似ているいうことで、
アニメファンをはじめ若い人に人気あると聞いていた。
(↓友ヶ島の一番有名な風景)

ラピュタのシータやパズーなど、アニメの格好をしたコスプレーヤーも訪れるらしい。
行った日には、残念ながらコスプレは見かけなかったが、
船に乗った大半が若者だったのに驚いた。

友ヶ島」とは、加太沖に浮かぶ無人島群、紀州海峡に浮かぶ沖ノ島(おきのしま)・地ノ島(じのしま)・虎島(とらじま)・神島(かみじま)の4島の総称。
港のあるメインどころの島は「沖ノ島」であることを初めて知った。
明治時代から終戦まで旧陸軍の軍事要塞として使われていて、島内には戦時下の砲台跡や爆薬庫跡が点在する。

今は、ハイキングや磯遊び、キャンプなどを楽しむことができる自然豊かで静かな島。

加太の船乗り場でチケットを買い、友ヶ島の地図の入ったパンフレットをもらう。
島内ハイキングのモデルコースとして、
砲台跡や灯台・展望台をめぐる名所探訪コース3.3km(歩行時間1時間20分、所要時間1時間20分)と、
虎島や深蛇池など自然の中を歩くコース6.1km(歩行2時間20分、所要時間3時間30分)の二つが紹介されていた。
もちろん名所探訪コース!
加太港を11:00に出発したので、帰りは友ヶ島発13:30と予定し歩き始める。

夏季には海の家風なお店ができたりするようだが、基本的に友ヶ島には何もない。
値段の高い自販機のみ。飲食料は前もって持参して乗船したほうがいい。

バイアニストイレ(洗浄水がめちゃ茶色!)が3か所あるので、まあ安心。
緑深い散策道をアップダウンを繰り返し歩いていく。

散策のための誘導サインは所々に設置されているが、ちょっと分かりづらい。
同船の人が同じように歩いているので、後をついていく感じなら大丈夫かな〜

崖崩れで通行止めの道もあり、西端の灯台まで行くのはやめる。
第5砲台跡

レンガや石で造られた遺構に木々の緑が映える。

タカノス山展望台

友ヶ島4島を一気に眺められる。

洋風の友ヶ島灯台も山から見る。

第3砲台跡

爆薬庫の中も探検できる。

真っ暗で、懐中電灯がないと全く歩けない通路や倉庫部屋もあり、ドキドキ!
(加太港売店には懐中電灯を売っていた)

フラッシュ撮影すると何にもなかった倉庫内。

手つかずの自然の中、あちらこちらに軍事的なものを見た。

将校宿舎跡の中は廃墟。

重々しい過去の戦争遺構が今も残されている島であり、かつ、アニメの聖地的な友ヶ島
不思議な雰囲気と独特の世界観!
密かな要塞って感じ。

船でしか来られない非日常的なロケーションと、島という閉鎖された空間が、
気分をさらに盛り上げているように思う。
正直、ラピュタそっくりというほどでも…と思ったが、
蔦の絡まるレンガ造りの遺構はそれなりの雰囲気があった。

戦争の遺構が絵になってしまうのが、悲しく申し訳ような、今が何とも平和なような…

そう遠くない昔に戦争が現実にあったという事を改めて確認し、
緑の自然と海が心に残った友ヶ島でした。

(そう言えば、竹田城跡ラピュタっぽかったんやな〜W関西ラピュタ?)