京の冬の旅 特別公開2014  報恩寺・妙顕寺・寺町阿弥陀寺をめぐる  

第48回京の冬の旅 非公開文化財特別公開(2014/1/10〜3/18)
全15ヶ所の中で、洛中エリアの3ヶ所、報恩寺・妙顕寺・寺町阿弥陀寺に行く。
どこも始めて行くお寺。
よく晴れた暖かい冬の日、北大路でいつものレンタサイクルを借りて回る。
まずは、堀川通に近い「報恩寺(ほうおんじ)」

報恩寺は、「鳴虎」を伝える黒田長政ゆかりの寺。こじんまりとしている。

有名なのは、不思議な逸話をもつ掛け軸「鳴虎図」
明の画人・四明陶佾(しめいとういつ)が水を飲む虎を細密な筆致で描いたもの。
毛の1本1本が丁寧に書き込まれて立体的に見えるらしい。
豊臣秀吉が「鳴虎図」を気に入り、聚楽第に持ち帰ったところ、夜になると虎が鳴いて眠れず寺に返したという。

展示されているのはデジタル複製画であるが、
絵の特徴を再現するため世界最高クラスの約8億画素の高解像度で複製したもの。
見る方向によって、スマートな虎になったり、ぽっちゃり虎になったりするのだ。
(言われてみればそうだな〜って思う程度だが。)
実物は12年に一回、寅年のお正月3が日のみ飾られるらしい。
客殿に黒田長政が死去した部屋もあり、黒田官兵衛・長政父子の位牌もあった。
イムリーな感じで嬉しい。
大河ドラマでは、長政は松坂桃李くんやな〜)
寺宝として、豊臣秀吉織田信長肖像画や、「撞かずの鐘」と呼ばれる平安時代後期の梵鐘があった。
報恩寺のお庭

次は、報恩寺のすぐ近くの「妙顕寺(みょうけんじ)」

以前、宝鏡寺に行った時に前を通って、大きなお寺だな〜と思っていたが中に入れるとは思わなかった。
妙顕寺は、京都初の日蓮宗道場であり、尾形光琳ゆかりの寺。

手入れの行き届いた裕福なお寺っていう感じを受けた。
本堂は、荘厳ながら、金ぴかでかなり豪華。
また、三つの庭園美が特徴
本堂北の枯山水庭園「竜華飛翔の庭」

尾形光琳の屏風絵を元に作られた書院前庭「光琳曲水の庭」

清々しい「孟宗竹の坪庭」

宝物殿で見たのは、尾形光琳が晩年に描いた三幅対の軸「寿老松竹梅」、
後醍醐天皇の綸旨、日蓮聖人直筆の「玄旨伝法本尊」など。
妙顕寺を創建した日像上人が修行中に写経した「極細寺法華経」の字が小さ過ぎてびっくりした。
次に向かったのは、「寺町 阿弥陀寺(あみだじ)」
東へと進み、烏丸通を横切る。
相国寺の中を通過して、賀茂川の手前、小さめのお寺が立ち並んでるエリアに行く。
普段は入れそうにないような(入り方がわからない)お寺でも、特別公開中は看板や案内があり、
安心して迷わず行けるのでありがたい。

寺町 阿弥陀寺は、花曼荼羅に彩られた織田信長の眠る寺。信長公本廟とされる。
明智光秀による「本能寺の変」が起こると、清玉上人(阿弥陀寺を開山した人)は本能寺に駆けつけ、
自害した信長の遺骸を運び供養埋葬した。
織田信忠森蘭丸など織田家中百余名の供養を光秀に申し出て、遺骸を埋葬した。
豊臣秀吉からの埋葬の申し出を断り、怒りを買って、阿弥陀寺は現在地に縮小移転された。
・・・って、初めて聞いた話。へぇ〜ほんとに?
よく分からないところがあるから、歴史って面白いのかも。
本堂には、本尊の阿弥陀如来像があり、花曼荼羅の格天井が色鮮やかだった。
織田信長と信忠父子の木像もあった。
印象的なのは、信長の遺品の鞍覆・弓掛、信長が本能寺で使ったという手槍の先。
すごい!こんなものがあるなんて。
本堂の裏には、家臣の墓に護られるように信長・信忠のお墓が佇んでいた。

織田信長のお墓は大徳寺の総見院でも見たけど、新たな知識が増えた。
特別公開は内部のカメラ撮影はできないが、各所に案内係の人がいて、
詳しく解説をしてくれるのでとってもわかりやすい。
勉強になりました〜☆
3ヶ所拝観して、「京の冬の旅」スタンプラリー用紙にハンコを押してもらう。

3つ集めると、お茶とお菓子で「ちょっと一服」の特典が受けられる。
接待箇所は市内9ヶ所あるが、一番近い俵屋吉冨「京菓子資料館」へ。
綺麗なお部屋で抹茶と雲龍を頂く。
美味しく、気持ち良く、ほっと寛ぐ。

2階の展示室では、京菓子の歴史を見ることができる。
入場無料で、静かで、いい施設でした。
出る時は、俵屋吉冨の店舗内を通過するように、うまいことなってるけどね〜