ちょこっと熊野古道(3)  神聖なる発心門王子

今更ながら、
「熊野古道」ってそもそも何?
2004年世界遺産に登録されるまで、紀伊半島は幾度も観光に行ったけど、
熊野古道」という名前さえ、認識としてはなかった。
(というか、興味がなかったのかもしれないが)
自分自身の疑問を解決する為に、
そこらここらで集めたパンフレットを助手席で読み解く。

まず、
世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道』とは?
紀伊山地の3つの霊場熊野三山高野山、吉野・大峯)は、古代から南山と呼ばれ崇拝されてきた。
自然崇拝に根ざした神道と外来の仏教が結びつき、修行道など多種の信仰形態を育んだ神仏の霊場である。
そこへ通じる各参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道高野山町石道)は、
広範囲にわたり極めて良好に保存されていた。
歴史とともに山岳・森林と一体化し、「文化的景観」を形成しているとのこと。
要するに、
和歌山県奈良県三重県に渡る、古い神社仏閣とお参りの山道。

いろんなルートのある中で、
熊野三山を巡礼するために開かれた参詣道が『熊野古道
熊野古道には、中辺路・小辺路大辺路紀伊路伊勢路の5つがある。

熊野古道は、「道」が主役の世界遺産
だから、昔ながらの山林の細道を歩いてみてなんぼのもん!
熊野古道を満喫できるように様々なウオーキングコースがあるみたい。

しかし!
あえて、
歩かないで、熊野古道を感じてみたいー☆
(足が弱いからね)
そんなわがままな希望を通し、大斎原の大鳥居を見た後は、
車で熊野古道「発心門王子(ほっしんもんおうじ)」まで行く。

熊野本宮大社から発心門王子まで、歩いて2〜3時間らしいが、車で10分くらい。
若干細くはなるが車通行できる道で辿り着ける。
駐車スペースも少々あり。
路線バスも走ってるみたい。

平安、鎌倉時代の貴族がお供を連れて、盛んに行った熊野詣。
その後庶民へと広がり、その行列の途切れない様から「蟻の熊野詣」と喩えられた。
そして道沿いに「王子社」と呼ばれる神社ができ、
大阪から熊野に至るまでは九十九王子社(実際の数ではなく、多さを表現)があった。
江戸時代に熊野詣は衰退するが、王子社の跡に石碑を建てたものなどが現在も多く残る。

「発心門王子(ほっしんもんおうじ)」もそんなひとつ。
九十九王子の中でも格式が高く、ここからが熊野本宮大社への霊域の入り口であったらしい。

「発心門王子」周辺の熊野古道をちょこっとだけ歩いてみる。

しーんと静まり返った山道。
結構険しい道なのね〜

木の根っこと、木立が幽玄な感じ〜

これがただの山道じゃなくて、ずっと昔の平安貴族がしずしずと歩んだ道だと思うと、
何だか不思議な気持ちになる。
かつては、後鳥羽院藤原定家和泉式部も歩いたという古道。
「王子」という聞きなれない言葉にも、
あちこちの石碑に刻まれた和歌にも、
江戸時代をスルーしたような雅な雰囲気が漂う気がするのは、思い込みのせいかしら?
それもまた楽し♪

東海道のチャキチャキの威勢のよさとは、明らかに違うよねー
自然と一体化されたような神聖さと静けさがいい熊野古道でした。