芸術的きものの競演 「京の小袖」展の感想 京都文化博物館

京都烏丸御池から近い京都文化博物館

特別展「京の小袖―デザインにみる日本のエレガンス」(2011/10/29〜12/11)
を見に行く。
(着物に全く詳しくないが、新聞屋さんにもらったチケットがあったので…)

「きもの」のみの特別展。
これは珍しいと思う!
私たちが「きもの」と呼んでいる衣服の原型は、かつて小袖と呼ばれ、
桃山時代から江戸時代にかけて、日本の服飾文化の中心を担ってきた。
国内きっての生産地である京都は、最高の技術やデザインで、小袖を日本中に送り出し、
女性たちを美しく彩ってきた。
貴重で素晴らしい小袖の数々が、松坂屋・丸紅・千總コレクションを中心に展示されている。

桃山時代から、江戸時代後期に渡るまでの、お宝というべき品々。
さすがに古いものは幾分痛んでいるが、江戸時代のものはかなり保存状態がいい。
そして、昔だから、当然すべて手仕事。
素晴らしい技術で丹精こめて作られた小袖は、もはや衣服の枠を超えた芸術品!
大切に大切に扱われてきたのだな、と思う。
束熨斗文様振袖(たばねのしもんようふりそで)など、重要文化財級のものもあり。

全7章で、小袖の時代絵巻が紹介されている。
時代背景の説明と、きもののデザインを対比させ見ていくのが面白かった♪
その時代に沿った流行があるみたい。
ダイナミックな構図、大胆な文様、美しい色合い、豪華絢爛な刺繍、気が遠くなるような絞り染め・・
様々なパターンを見ることができるが、やはり大事にされているのは、季節感。
日本っていいよなーと改めて思う☆

目にも鮮やかな美しい小袖が数ある中で、私が印象的だったのは、
大阪冬の陣で武器の調達の褒美として家康から与えられたという地味目の着物。時代的リアル感漂う。
そして、最近の大河ドラマ「江」を思いおこす。
時代の流れと共に変化していく、三姉妹の華やかな着物もいつも楽しみだったわ。
また、江戸時代、武家から宮家に嫁ぐのに用意された着物も、印象に残る。
ため息が出るように美しい刺繍だったが、袖を通してなかったみたい・・なんとなく悲しい。
豪華な着物の数々は、どんなお姫様や奥方様が身にまとっていたのだろう〜
個性ある美しい着物をまとうことによって、あふれんばかりの美の競演に拍車がかかる。
な〜んて、いろいろ想像するのも楽しかった♪

あと、気がついたこと。
展覧会の会場に入ると、明らかに、タンスの匂いがした。
小袖展だからか?と初めは思ったが、違う・・・
見に来ている人(圧倒的に、そこそこのお年の女性)の和服着用率が結構高かったから!
(と言っても、全体の2割くらいか)
さすが皆さん小粋に自然に着こなしていらっしゃる。
以前、歌舞伎を見に行った時も、同じ匂いだったかも〜(笑)