江を訪ねるちょこっと旅(1) 幻の安土城跡

NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」では、昨日とうとう秀吉が死去する。
これからいよいよ佳境に入ってくるドラマを楽しみにしつつ、
ほったらかしにしていた滋賀ちょっこと旅を整理してみる。
「お父さんとお母さんは、江(ごう)を訪ねる旅に出てきます…」
と、娘にメールして5月の連休に出掛けた。

江の叔父上である織田信長(しばらく出ないが、トヨエツ良かったわ〜)
天下統一を目標に、標高199mの安土山に築城させた安土城
現在は四方とも陸地だが、当時は琵琶湖の内湖に囲まれ、南方のみが開けた地形だった。
日本で初めての天守閣(天主閣)をもつ、スケールの大きなド派手なお城だったらしい。
しかし、天主完成の3年後、織田信長明智光秀の謀反により京都の本能寺で自刃。
混乱の中、その13日後、壮大な安土城は放火され落城。
絢爛豪華な安土城は、一夜のうちにあとかたもなくなったという。
まさに、夢まぼろしのお城、安土城
滋賀県近江八幡市特別史跡「安土城跡」に行く。

入山料500円
小高い山を周る散策道(階段多し)なので、木の杖を貸してもらう。
入り口である大手口から本丸に向かって延びる直線階段の大手道

広く長い堂々たる階段は安土城の風格を想像させる。
大手道の脇には、羽柴秀吉前田利家の屋敷跡があった。
ちょっと登るだけで、麓の田畑を見下ろすことができる。

山の中へどんどん登っていく。

ごっつい石の石垣跡

説明板にあったが、巨石には、一夜で焼失した安土城の炎の跡が残されている。

いかに凄まじい豪火であったか、示しているとのこと。ほぉ〜。
二の丸跡にある信長公本廟
信長ゆかりの遺品(太刀、烏帽子、直垂など)を埋葬して祀っている。

木陰の中の本丸跡

さらに天主閣跡へと少し登る。

背丈くらいの高さの石垣(不等辺八角形)に囲まれた東西・南北28mの台地。
今は礎石が1.2mおきに並ぶだけ。
だけど、なぜかゾクゾクした!

この場所は天主閣の地階にあたる。
その上に地上6階地下1階の大きな天主がそびえていた。
信長が天下人を夢見ていた場所に立ち、想いを馳せる。
石垣の上から、楽市として栄えた安土の町を望む。信長気分〜

ここ安土城跡に来るまでは「城跡って、お城もないし、何を見たらいいの?何が楽しいの?」と思っていた。
しかし、現物がないのって、想像がむくむくと面白いように膨らむ!
場所を同じくすることで、時代を超えた空気感を、体感できた気もした。
様々な学者や研究者による安土城の復元図や模型も興味深いが、
自分の頭の中で鮮やかに描く幻の名城も素晴らしいものであった。
少し山を下って、室町時代の建築物・三重塔が美しい。

信長が甲賀の長寿寺から移したもの。その後、豊臣秀頼が修理した。
縈見寺跡からは琵琶湖(安土内湖)の景色がとてもいい。

二王門(楼門)も趣あり。

森林浴もできて、軽いハイキングコースのような安土城跡めぐり。
幻の安土城だからこそ、かき立てられる歴史ロマンあり。
麓の広い駐車場から、所要時間は約1時間〜1時間半。
夏場はキツイと思う…
いい季節に回るのがいいかな〜☆