夏の鹿児島(4) 仙厳園と尚古集成館〜島津の庭園と日本の近代化をみる

鹿児島の繁華街天文館にあるホテル・レクストン鹿児島に宿泊。
翌日は鹿児島市街地から北へ車で15分ほど、海沿いにある名勝「仙厳園(せんがんえん)」へ。
入園料1000円

仙厳園は1658年に島津家光久が別邸として築造。

桜島を築山に、錦江湾を池に見立てるという雄大な景観を誇る大名庭園

幕末の薩摩の財力を垣間見る。
鉄製150ポンド砲

島津斉彬がこよなく愛し、篤姫勝海舟をはじめ、
英貿易商グラバーや英国公使パークス、ロシアのニコライ2世など国内外の来園者を魅了した。
鹿児島屈指のビュースポット。
メインの御殿

御殿内ではこぎれいな着物姿のガイドさんから説明を聞きながら、殿様エリアを見ることができる。
(御殿ガイドはオプションで所要時間約20分。抹茶と菓子付きで600円)
外国人観光客が多く、我々と一緒にガイドを受けたのはほとんど外人さんだったので、
英語まじりの説明を受ける事になった。
赤い毛氈に正座した外人さんは、抹茶と和菓子の接待に戸惑いながらも喜んでたな〜

横にかなり長く、奥に広い仙厳園。

広々と開放的なお庭が多く、緑が濃い。
南国のお屋敷のムード!
琉球の使者との交流場・望嶽楼

伝統ある武家屋敷や庭園なんだけど、周りには南洋植物も多いので、
これまで見てきた本州のものとは雰囲気が異なり、面白かった。
渋さの中にも明るさがあるような気がした。

ちょうど通り雨があった後だったので、どこもしっとりと瑞々しい景色。

曲水の庭

中国からの渡来原株と伝わる孟宗竹林・江南竹林

仙厳園で私が嬉しかったのは、2008年NHK大河ドラマ篤姫」のロケ地満載だったこと!

あっちにもこっちにも。(それぞれのポイントには説明書きも設置されている)

ドラマ放映は何年も前になるけど、ありありと思い出して、
篤姫役の宮崎あおい小松帯刀役の瑛太が今にも出てきそう〜なんて思った。
水道橋

アサガオが綺麗。
夏期は変わり咲き朝顔展も開催されていた。

他にも色鮮やかな花が四季折々咲く。

この日も煙っていて桜島はクリアじゃなかったけど、
錦江湾を背景とした美しい景色を見ることができました〜☆

仙厳園を出てすぐ横の尚古集成館(しょうこしゅうせいかん)
(チケットは仙厳園と共通)

幕末、日本を強く豊かな国にするため島津斉彬は東洋最大の工場群集成館を築く。
薩英戦争で焼失するが、その後久光・忠義により機械工場に再建される。
現在は島津家や薩摩の始めた近代化事業に関する資料館となっている。

さらに、その横の薩摩切子工場&ショップ(磯工芸館)を覗く。

中では美しく輝く薩摩切子が、宝石店のようにディスプレーされていた。
(現在、JR西日本のCMで出てくる薩摩切子ショップはここ)
一度は途絶えた薩摩切子の技術だが、1985年に復元を果たした工場で製造過程を見学できる。

多くの若い人職人さんが真剣に伝統工芸品を製作していた。


仙厳園から近い場所にある旧鹿児島紡績所技術館(異人館
歴史的価値の高いコロニアル調の洋館

日本の近代化に大きく貢献した薩摩には、レトロ素敵な建築物もいろいろあった。
尚古集成館や旧鹿児島紡績所技師館は「近代化産業遺産群」のひとつ。
世界文化遺産として「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が現在推薦書提出中
(今年、現地調査予定)であることも知りました〜☆