映画「悪人」の感想

先週、TOHOシネマズ伊丹で映画「悪人」を見る
ガソリンスタンドのシーンから始まり、クルマが重要な役割を占めている(気分的には昨日の車検の話から続くのだ…)
原作はずいぶん前に読んだ。文庫で上下巻あるが一気に読みきれるほど引き込まれた。
深津絵里モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞で注目。これは見たいと思った。

殺人犯・祐一と逃避行する店員・光代。そして、周りの人々・・・なぜ彼は殺人を犯したのか?
原作を網羅してるわけじゃないけど、大事なポイントはきっちり押さえてあり、映画だけでも充分楽しめる。
配役の良さと佐賀、福岡、長崎の風景がそうしてると思う。
地方出身の私は、田舎のクルマ命のヤンキーをありありと思い出す。ちょっとちゃうかー
人と人との出会うタイミングが逆らえない運命であり、悲しかった。切なく、ずーんとした気持ちになる。
深津絵里の演技は前評判どおりいい。踊る大走査線の深津ちゃんより好き。地味な役でスッピンに近いのにキレイ。
それでも、モントリオール世界映画祭の時のフルメイクの深津ちゃんはハッとするほど美しかったな。
さすが!女優やわー
妻夫木聡も、悪人にするには優しすぎるんちゃう?と思っていたが、悲哀を演じてよく頑張っていた。
原作を読んだ時、犯人・祐一のビジュアルとして、速見もこみちをイメージしたが、演技力的に妻夫木くんの方が安心やもんなー
好感度のあるふたりには、ついつい同情してしまう。

苦悩する加害者と被害者の周辺の人々。みんな良かった。
中でも秀逸だと思ったのは、樹木希林。今更ながらだけど、さすが!素晴らしい。
タイトルまんま、「悪人」とは?と考えさせられる。心がヒリヒリした映画だった。