世界遺産の里 白川郷(2) 萩町集落散策(長瀬家・和田家)

夏の風景の中、世界文化遺産「白川郷」萩町合掌造り集落の散策は続く。
美しい田畑、森林に囲まれた山里。

築100年を超える、114棟の合掌造り家屋が立ち並ぶ、萩町合掌造り集落。

貴重な木造建築物は、今はお土産屋さんやお食事処になったり、宿として利用されているものが多い。
(↓これは、萩町でなく、せせらぎ公園付近のもの。移築された家屋は、世界遺産でないらしい…)

でも今なお、普通に民家として使われているものも数多く存在する。

なんとものんびりした光景〜

内部を見学できる家屋もいくつかあり。

・県重要文化財「明善寺」
・神田家
・ふる郷 長瀬家
・国重要文化財「和田家」
など。
我々が中に入ってみたのは和田家と長瀬家(ともに見学料300円)
『和田家』

萩町集落で最大規模を誇る。
昔の村の中で庄屋や番所役人を務めた由緒ある家柄。初代白川村村長のお家。
豊かで、いかにもそれらしい重厚な佇まい。

入り口で和田家に関する説明を受ける。
屋根裏で養蚕する蚕の糞と、人の尿や野草が、床下で微生物分解され、焔硝(えんしょう)という火薬の原料となっていた話に驚く。
硝酸カリウムを作り出す床下…素晴らしい!
そして、村に繁栄をもたらした。なるほどです。
黒光りする屋根や床は、年百年もの年月と暮らしの重みを感じさせる。
掌(てのひら)を合わせたような、急勾配の茅葺きの屋根をもつから、「合掌造り」
白川郷では、屋根の両端が本を開いて立てたような形だから、「切妻合掌づくり」と呼ばれている。
重く多い積雪に耐え、風土に適した構造。
和田家のものは、特に大きく威風堂々〜

建築材の接合部には木製のクサビなどが用いられ、金属性の釘等は使われていない。
伝統的な建築技法で作られた家屋は、江戸中期の暮らしを今に伝える。
和田家の2階から見た風景。
風の通り抜けが気持ちいい〜♪

『長瀬家』

各階には、長瀬家に伝わる品々が数多く展示されている。
生活用具、祝祭道具、医療具、山仕事道具や農機具など。

家にしっくりと馴染む道具たちには、まるで生命が宿っているかのような気がした。
さらに印象的であったのは、
H13年、村人総出で80年ぶりに屋根の葺き替えが行われた時の、驚愕の写真。

白川郷の伝統である相互扶助精神『結』
人の手なしでは維持できない合掌の家々が並ぶ地だからこそ生き続ける、助け合い、支えあう心。
人と人との絆が『結』という言葉に表現されて、温かい気持ちになった。
長瀬家2Fから見る風景とともに、心穏やかになる。